【シバ犬🐾簿記論】推定簿記

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取引の推定とは -名探偵はT字勘定を使う!

社長おーい、白柴くん!今期の売上高を知りたいんだけど、うっかり売上帳をコーヒーで汚して読めなくなっちゃったんだ💦 どうしよう!
経理社長、またですか…。でも大丈夫ですよ。「取引の推定」というテクニックを使えば、売上帳がなくても売上高を計算できます。
社長ええっ!魔法?それとも僕の心の声を聴くの?
投資家違うな。T字勘定の貸借差額を使って逆算するんだ。簿記特有の計算だな。
経理そのとおりです。例えば、売掛金の期首・期末残高と、期中の回収額が分かれば、差額で「掛売上」がいくらだったか推定できるんですよ。
社長なるほど!犯人(売上)がいなくても、足跡(売掛金)から正体を突き止める名探偵みたいだね🐾
経理そういうことです。重要なのは、差額で出た金額が「どういう取引(仕訳)」なのかを正しく推測することです。
投資家ただ数字を合わせるだけじゃダメだぞ。その差額が「掛売上」なのか「掛仕入」なのか、勘定科目の動きを理解していないと間違えるからな。

【取引の推定①】

売掛金と買掛金の発生は、基本的に売上と仕入によるもの以外はありません。

  • 売掛金勘定の借方差額 → 掛売上
  • 買掛金勘定の貸方差額 → 掛仕入

勘定連絡のパズル -現金を見ても答えは出ない

社長よーし、じゃあ「現金勘定」のT字を作れば、すべての取引が丸裸になるんだな!一番動きが多いし!
経理社長、それは悪手です💦 現金や当座預金は取引が多すぎて、差額が出てもそれが何の取引か特定できないんです。
投資家下手な鉄砲数撃ちゃ当たる、とはいかんのだ。推定が必要なのは、通常「売掛金」「受取手形」「前受金」のような、取引の種類が限定される勘定だ。
社長えー、現金じゃダメなのか…。じゃあ、売上を知りたかったらどこを見ればいいの?
経理売上に関連する勘定連絡(つながり)を整理しましょう。例えば、売掛金勘定の貸方に記入されるのは、代金回収だけじゃなく、「返品・値引」「貸倒れ」もあります。
社長げっ、回収だけじゃないのか!意外と複雑だね😢
経理仕入の場合も同じです。買掛金、支払手形、前渡金などのT字勘定を描いて、パズルのように数字を埋めていくんです。
投資家忘れるなよ。為替手形の振出なんかも絡んでくるぞ。「どの勘定の、どちら側に、何が入るか」を体に叩き込んでおくことだ。

【取引の推定②】

現金勘定などは内容が雑多で推定に向きません。推定問題では以下のつながりが重要になります。

  • 売上関連: 売掛金、受取手形、前受金、貸倒引当金など
  • 仕入関連: 買掛金、支払手形、前渡金など

特に、「手形の裏書譲渡」や「値引・返品」がどの位置に来るかを把握しておく必要があります。

内訳不明時のテクニック -謎は全て解けた!

社長白柴くん、大変だ!資料を見たんだけど、「売掛金」と「受取手形」の合計金額しか分からなくて、それぞれの内訳が分からないよ💦 これじゃT字が埋まらない!
経理落ち着いてください社長。それは「内訳不明の推定」というパターンですね。その場合、裏技があるんです。
社長裏技!?もしかして、適当に数字を入れるとか?
経理そのとおりです!…と言っても、いい加減にするわけじゃありません。「内訳の片方をゼロと仮定する」んです。
投資家ほう、度胸があるな。だが理にかなっている。問われているのが「売上高の合計」なら、内訳がどうあろうと合計額は変わらないからな。
経理例えば、手形売上をゼロと仮定して計算しても、500と仮定しても、最終的な売上高の合計は同じ結果になります。
社長えー!ゼロにしちゃっていいの?楽ちんだね!🐾
投資家もしくは、売掛金と受取手形を合算して「売上債権」という1つの勘定として扱ってもいい。どちらにせよ、内訳にこだわらず全体を見る視点が必要だ。
経理これを知っていると、難問が出てもパニックにならずに済みますよ。

【取引の推定③】

難しい問題では、掛売上と手形売上の内訳が不明な場合がありますが、以下のどちらかの方法で解答可能です。

  1. ゼロ仮定法: 片方(例:手形売上)をゼロと仮定して計算を進める。
  2. 勘定合算法: 売掛金と受取手形を合算した「売上債権勘定」を作成して計算する。

どちらの方法でも、最終的に算出される売上高は同じになります。

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