【シバ犬🐾財務諸表論】資産会計

目次

資産会計総論 ~企業の“お金のカタチ”を追え!~

社長 白柴くん!この「資産」ってやつ、結局“お金”のことなんだろ?💰
経理うーん、半分正解で半分ちがいますね😅 お金だけでなく、“お金を生む力”を持つもの全部を「資産」と呼ぶんです。
社長お金を生む力?うちの看板犬の「茶丸」もお客さんを呼ぶけど、それも資産か!?🐶
経理それは微妙ですね💦 会計でいう資産は、「将来キャッシュの獲得に貢献する経済的便益を持つもの」です。つまり、企業の活動でお金を生み出す“用役潜在力”を持つモノですね。
投資家「用役潜在力」とは“サービス・ポテンシャル”の訳である。言い換えれば、企業が将来利益を得るための“働く力”を内包した存在、ということだ。
社長なるほど!つまり資産って、“働いてくれる仲間”みたいなもんだな🐾
経理そのとおりです。しかも、資産は「資本の運用形態」を表しているんですよ。貸借対照表を見れば、右側(負債・資本)は“お金をどう集めたか”、左側(資産)は“そのお金をどう使っているか”を示しています。
社長右で集めて左で使う…!つまり企業の“お金の流れの地図”が貸借対照表なんだな!
投資家その視点は静態論的な理解である。だが、動態論では“計算上の資産”も含める点が異なる。たとえば「繰延資産」などは換金できないが、企業活動の成果を適切に表すために資産として扱われる。
経理そうなんです。だから、資産は“換金できるモノ”だけでなく、“将来に向けて費用配分されるモノ”も含まれるんです。
社長ふむふむ…でも資産っていろんな種類があるんだろ?
経理はい、分類のしかたも2通りあります。① 財務流動性の観点から見ると、「流動資産」「固定資産」「繰延資産」に分けられます。これは貸借対照表での表示に使われます。② 損益計算の観点から見ると、「貨幣性資産」「費用性資産」に分けられ、これは評価に使われます。
投資家表示目的と評価目的の違いを押さえておくことが重要である。どの分類が使われているかで、会計処理の考え方が変わる。
社長なるほどな~。資産って、“形あるモノ”というより“お金を生む力のかたち”なんだな!🐕💡
経理そのとおりです、社長。資産とは、企業の資本が「どんな形で働いているか」を示すものなんです。
投資家まさに“企業の経済的エンジン”の一覧表。それが貸借対照表の資産の部である。

まとめ

観点内容目的
静態論的資産換金価値を持つもの財政状態の表示
動態論的資産計算上の資産(繰延資産など)を含む期間損益の正確な計算
現代的資産概念経済的便益(キャッシュを生む力)を持つもの経済的実態の反映
分類①(財務流動性)流動/固定/繰延資産貸借対照表表示目的
分類②(損益計算)貨幣性/費用性資産資産評価・費用認識目的

資産の評価

資産評価と取得原価主義 ~過去・現在・未来、どれを見る!?~

社長白柴くん!資産の評価って、取得原価主義とか時価主義とか割引現価主義とか、いっぱいあってややこしいんだよなぁ💦
経理社長、あれは「過去・現在・未来のどの価額を基準にするか」という違いなんですよ。取得原価は過去、時価は現在、割引現価は未来の価値を基準にします。
社長なるほど!じゃあ取得原価は「買ったときの値段」、時価は「今の値段」、割引現価は「将来儲かる見込みから逆算した値段」ってことか!
投資家そのとおり。価額の基準が違うだけで、全部“どう資産を評価するか”の考え方なんだな。
経理企業会計原則は基本的に取得原価主義を採用しています。この方式は取引事実に基づくため、客観性と確実性が高いんです。
社長なるほど、外との取引があるから証拠が残るってことね😄
投資家ただし取得原価は、期末の実態を反映しづらい弱点がある。価格が変わると、帳簿の数字が古くなるんだよ。
経理さらに、売上の中に操業損益保有損益が混ざることもデメリットですね。
社長えっ、混ざっちゃうの?
経理例えば100円で仕入れた商品が、仕入れ市場では120円に値上がりして、販売市場では150円で売れたとします。
経理売上利益は150-100=50円ですが、そのうち保有損益は20円、操業損益は30円です。
社長あ〜確かに混ざっちゃってる💦 努力の部分(操業)と、値段変動の運の部分(保有)が一緒になってるわけだな!
投資家だから取得原価主義は“安全だけど実態は見えにくい”って特徴になる。

時価主義 ~タイムリーな金額です~

社長白柴くん!さっきの続きだけど、時価主義ってやつは「今の値段」で評価するんだよな?それって便利そうじゃない?
経理はい、期末の経済的実態を把握しやすいのが時価主義の長所です。投資家にとっても最新の情報が見えるので有用です。
投資家それに、操業損益と保有損益が分けて見えるのが良い。経営の腕前がハッキリする。
社長おおっ!俺の腕前を見せつけるのにピッタリじゃん!
経理ですが、問題点もあって…時価は客観性に欠けるんです💦 そもそも時価を入手しづらい資産もあります。
投資家それだけじゃない。時価評価すると、上がった分の評価益(未実現利益)が出てしまう。これは実現主義に反する
社長えっ、まだ売ってないのに儲かったことになるの!?それはなんか怖い😢
経理その感覚は正しいです。だから時価主義はメリットも大きいけど、リスクも大きいんです。

割引現価主義 ~ようこそ未来の世界へ…~

社長じゃあ最後の割引現価主義ってのは?
経理これは「将来のキャッシュ・フロー」を現在価値に割り引いて評価する方法です。資産の本質を将来得られる経済的便益と考える立場ですね。
投資家将来の価値を読む“未来志向型”って感じだな。
社長おおっ、未来を読むなんてカッコいいじゃん!✨
経理資産の本質が経済的便益なら、評価方法も将来のキャッシュ・フローを基準にするのが“整合的”なんです。だから「資産は割引現在価値で評価すべき」という考え方につながります。
投資家ただし…将来キャッシュ・フローの予測や割引率の設定に主観が入りやすいから、客観性に問題がある。経営者の希望的観測で数字がブレる危険性があるんだ。
社長将来の予想なんて、俺がテンション高い日と低い日で変わっちゃうぞ💦
経理だからこそ慎重な判断が求められるんです。

固定資産

固定資産の取得形態  ~マシン導入だワン!~

社長白柴くん、うちの工場に最新マシンを入れようと思うんだ!買う?もらう?それとも作る?
経理社長、固定資産の取得方法はいろいろあります。まず、“購入”の場合は購入代金に付随費用(運搬費・据付費など)を加えて取得原価とします。
社長なるほど、運ぶお金とか設置代も含めて“取得原価”なんだな!
経理そうです。ただし、重要性が乏しい付随費用は加えなくてもいいです。
社長じゃあ、“現物出資”でマシンをもらう場合は?
経理その場合は、受け取ったマシンの公正な評価額を取得原価にします。
社長ふむふむ。じゃあ、もし“自分たちで作る”なら?
経理“自家建設”ですね。その場合は、製造原価に基づいて取得原価を決定します。
社長借金して建設した場合の利子は?
経理そこが論点です!“原価算入説”では、稼働前の利子は取得原価に含めると考えます。費用収益対応の原則によるんですね。
投資家ただ、“原価不算入説”もあるんだな。利子はあくまで財務費用で、資産の価値を増やすわけじゃないって立場だ。」
社長どっちにしても、お金の使い方ひとつで“資産の金額”が変わるって奥が深い!」

交換と贈与 ~交換と贈与のヒミツ~

社長黒柴さん、ちょっといい? うちの会社のこの土地と、隣にある黒柴さんの土地交換してくれない?
投資家おお交換か。同じ“土地同士の交換”なら投資の継続性があるんだよな。だから、交換による損益は認識しないんだな。
経理そうですね。その場合は、譲渡資産の簿価をもって取得原価としますね。
社長へ~、そうなんだ。じゃあ、“会社の株と土地を交換”したら?
経理それは“異種資産の交換”なので、投資をいったん清算したことになります。譲渡資産の株の時価を取得原価にして、交換損益を認識します。
投資家時価が基準になるってことは、結構シビアだよな。
社長ところで、タダでマシンをもらったら?
経理それが“贈与による取得”です。2つの考え方があります。①取得原価ゼロ説と②公正評価額説です。
投資家ゼロ説だと、貸借対照表に載らなくなるし、減価償却もできなくなる。だから、実務では公正評価額説の方が合理的だ。
社長ただし、公正評価額で計上すると“受贈益”という利益が出ちゃうんだよね?
経理そうです。貨幣性資産の裏付けがない“未実現利益”になる点が問題です。

減価償却 ~費用配分と4つの方法~

社長マシンを買ったけど、何年も使うんだから、費用は一度に出さなくていいんだよね?
経理そのとおりです。固定資産は“費用性資産”。減価償却によって取得原価を耐用期間にわたって配分します。
社長つまり、“ちょっとずつ費用にする”感じ?
経理そうです。これで費用収益対応の原則を実現します。
投資家ちなみに減価償却には4つの方法がある。定額法・定率法・級数法・生産高比例法だ。
社長おお、4つも!
経理定額法は毎期同じ額。定率法は初期に多く、後で少なく。保守的な会社は定率法を好む傾向があります。
投資家生産高比例法は、生産量に応じて費用を配分する方法。合理的だけど、使える資産は限られてる。
社長へぇ~、減価償却って、単なる“費用化”じゃなくて“お金の管理術”なんだね!
経理そうです。自己金融効果もありますから、資金繰りにも役立ちます!

無形固定資産 ~「目に見えない資産!?」~~

社長うちの“商標登録”も資産になるの?
経理もちろんです。“無形固定資産”といいます。形はないけど、将来の収益に貢献するものです。
投資家無形資産も“費用性資産”だから、減価償却をする。通常は定額法だな。
社長減価償却累計額って出すの?
経理いえ、無形資産は直接控除法です。権利が消滅したら再取得が難しいので、取得原価を示す間接控除法の意味が薄いんです。

繰延資産

繰延資産の意義 ~未来に効く費用ってなんだ?~

社長白柴くん、創立費とか開業費ってもう払ったのに、なんで資産にしてるんだ?💸
経理はい、これらは「繰延資産」といいます。本来は費用なんですが、その効果が将来にわたって発現すると期待されるので、経過的に資産として扱えるんです。
社長へぇ~、サービスはもう受けたのに資産になるって、不思議だな。
経理そうなんです。繰延資産は、役務の提供は終わっているけれど、その効果が将来の収益にも関係してくるんです。だから、費用を未来に配分するという形で資産計上できるんですよ。
社長なるほど。じゃあ、なんでもかんでも繰延資産にすれば利益が増えるじゃん?😎
経理ダメです社長!繰延資産にできるのは、3つの条件を満たす場合だけです。
社長3つの条件?
経理はい、①代価の支払が完了している、②役務の提供を受けている、③その効果が将来に及ぶと期待される。この3つです。これを全部満たしていないと繰延資産にはできません。
社長なるほど。じゃあ繰延資産って、「すでに使ったけど、これからも効く費用」なんだな。未来に効くサプリみたいなもんか🍀
経理 うまい例えです!支出は済んでいても、将来の収益に貢献する部分を期間配分していくのが繰延資産なんです。

繰延資産の問題点 ~換金できない資産って大丈夫?~

投資家ところで白柴くん、繰延資産って“資産”って言うけど、現金に換えられないのに資産でいいの?
経理 いい質問です!繰延資産は換金価値のない擬制資産なんです。つまり、お金にはならないけれど、将来の収益に貢献する用役潜在力を持っているから資産とされています。
社長つまり、“希望を資産にしたもの”みたいな感じか…。夢の不動産だな😂
経理そんな感じです。ただし、換金価値がないぶん、財務健全性の観点から注意が必要なんです。
社長じゃあ、繰延資産にするかどうかは会社の自由?利益を好きに調整できるじゃん?😏
経理実はそれが問題なんです!繰延資産は資産計上が任意。でも、乱用すると利益操作につながります。
投資家なるほど。繰延資産を多く計上すれば“儲かってるように”見せられるけど、実際は現金がないわけだ。
経理まさにその通り!だから、過剰な繰延計上は財務の信頼性を損なうんです。
投資家ところで、長期前払費用って似てない?
経理共通点は「費用を未来に配分している」こと。でも違いが3つあります。①長期前払費用はまだ役務を受けていないが、繰延資産はもう受けている。②長期前払費用には換金価値があるが、繰延資産にはない。③長期前払費用は強制計上だけど、繰延資産は任意計上です。
社長繰延資産のほうが「見えない未来を信じるタイプ」の資産なんだな。信じるのはいいけど、ほどほどにな🐾
白柴経理

繰延資産に関しては、下の「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」の記事でも詳しく説明しているよ!

参照条文

企業会計審議会 企業会計原則・同注解(HTML版

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