第1話 四半期財務諸表の性格 ~「実績主義」と「予測主義」の違い~
| 社長 | よし!うちの会社も四半期決算を出すぞ!投資家にアピールだ🐾 |
| 経理 | いいですね社長。四半期財務諸表は、1年間を3か月ごとに区切った「四半期会計期間」ごとに作成する財務諸表です。 |
| 社長 | なるほど、1年を4つに分けたミニ決算ってことか? |
| 経理 | そのとおりです。そして、その考え方には大きく2つあります。「実績主義」と「予測主義」です。 |
| 社長 | おっ、なんか経営っぽい言葉だな!違いは? |
| 経理 | 実績主義は、四半期を1つの独立した会計期間と考え、年度と同じ会計方針で財務諸表を作成するという考え方です。 |
| 社長 | つまり「3か月の成績をそのまま見せる」って感じか! |
| 投資家 | そうだ。四半期の経営成績と財政状態をそのまま示すという発想だ。 |
| 経理 | 一方、予測主義は、四半期を年度の途中の期間と考えます。 |
| 社長 | 途中? |
| 経理 | はい。四半期財務諸表を、年度業績の予測に役立てる情報として作るんです。 |
| 社長 | なるほど、1年の結果を予想するための途中報告みたいなものか! |
| 投資家 | その場合、年度とは部分的に異なる会計処理を使うこともある。配分や見積りが増える。 |
| 社長 | えっ、それってちょっと複雑そうだな💦 |
| 経理 | そうなんです。見積りや配分が増えると、経営者の判断が入りやすくなるという問題があります。 |
| 投資家 | つまり、利益操作の余地が広がる可能性があるということだ。 |
| 社長 | それは投資家からすると困るな😢 |
| 経理 | そこで、日本の四半期会計基準では、「実績主義」が採用されています。 |
| 社長 | よし!うちも3か月のリアルな実績で勝負だ! |
条文穴埋問題
用語の定義
4. 本会計基準における用語の定義は、次のとおりとする。
(1) 「四半期会計期間」とは、1連結会計年度又は1事業年度(以下「年度」という。)が
3か月
を超える場合に、当該年度の期間を
3か月
ごとに区分した期間をいう。
(2) 「期首からの累計期間」とは、年度の期首から四半期会計期間の末日 までの期間をいう。
(3) 「四半期財務諸表」とは、四半期連結財務諸表 及び四半期個別財務諸表 をいう。
(4) 「四半期報告書」とは、四半期財務諸表を含んだ報告書をいう。
理論記述問題
Q.四半期財務諸表の性格付けにおける「実績主義」とはどのような考え方か?
A.実績主義とは、四半期会計期間を年度と並ぶ一会計期間とみた上で、四半期財務諸表を、原則として年度の財務諸表と同じ会計方針を適用して作成することにより、当該四半期会計期間に係る企業集団又は企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する情報を提供するという考え方である。
Q.四半期財務諸表の性格付けにおける「予測主義」とはどのような考え方か?
A.予測主義とは、四半期会計期間を年度の一構成部分と位置付けて、四半期財務諸表を、年度の財務諸表と部分的に異なる会計方針を適用して作成することにより、当該四半期会計期間を含む年度の業績予測に資する情報を提供するという考え方
Q.四半期会計基準が、「実績主義」を採用しているのはなぜか?(理由を3つ)
A.➀ 中間会計期間の実績を明らかにすることにより、将来の業績予測に資する情報を提供するものと位置付けることがむしろ適当と考えられること、② 恣意的な判断の介入の余地や実行面での計算手続の明確化などを理由として、中間財務諸表等の性格付けが「予測主義」から「実績主義」に変更されたこと、③ 季節変動性については、「実績主義」による場合でも、十分な定性的情報や前年同期比較を開示することにより、財務諸表利用者を誤った判断に導く可能性を回避できると考えられること、から。
第2話 四半期財務諸表の作成ルール ~年度決算との関係~
| 社長 | 白柴くん、四半期決算って年度決算と同じルールで作るのか? |
| 経理 | 原則として、そのとおりです。四半期財務諸表の会計方針は、年度の財務諸表と同じものを適用します。 |
| 社長 | おお、統一されてるんだな。 |
| 経理 | ただし例外があります。 |
| 社長 | 出たな例外! |
| 経理 | 四半期は速報性が重要なので、簡便的な会計処理を使うことが認められています。 |
| 社長 | つまり「ざっくり計算OK」ってことか? |
| 経理 | そこまでラフではありません💦 財務諸表利用者の判断を誤らせない範囲での簡便処理です。 |
| 投資家 | 投資判断を誤らせるなら許されない。そこが重要だ。 |
| 社長 | 黒柴さん、今日も厳しいなぁ😢 |
| 経理 | さらに、会計方針は継続適用しなければなりません。 |
| 社長 | 継続適用? |
| 経理 | 前年度や直前の四半期で使った会計方針を、毎回変えてはいけないというルールです。 |
| 投資家 | 会計方針が毎回変わったら、企業間比較も期間比較もできなくなる。 |
| 社長 | たしかに、毎回ルール変えたら成績比べられないな🐾 |
| 経理 | 表示方法も基本は年度の財務諸表に準じます。 |
| 社長 | でも四半期ってページ少ないイメージあるぞ? |
| 経理 | そのとおりです。四半期では、科目を集約して表示することが認められています。 |
| 投資家 | ただし、利用者の判断を誤らせない範囲で、だ。 |
| 社長 | つまりまとめるけど、ごまかしはダメってことだな! |
| 経理 | まとめると四半期財務諸表は、① 実績主義② 年度と同じ会計方針③ 簡便処理OK④ 科目は集約表示可という特徴があります。 |
| 社長 | よし!これでうちの四半期決算もバッチリ理解だ!🐾 |
条文穴埋問題
採用する会計方針
9. 四半期連結財務諸表の作成のために採用する会計方針は、四半期特有の会計処理を除き、原則として 年度 の連結財務諸表の作成にあたって採用する会計方針に準拠しなければならない。ただし、当該四半期連結財務諸表の開示対象期間に係る企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する財務諸表利用者の判断を誤らせない限り、 簡便的な会計処理によることができる。
理論記述問題
Q.四半期財務諸表は、中間作成基準よりも簡便的な会計処理が認められているのはなぜか?
A.四半期財務諸表は、年度の財務諸表や中間財務諸表よりも開示の迅速性が求められているから。

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