目次
第1話 株主資本等変動計算書とは ~純資産のストーリーを描く決算書~
| 社長 | 白柴くん、うちの決算書に「株主資本等変動計算書」ってのがあるけど、これって何のために作るんだ? なんか難しそうだぞ🤔 |
| 経理 | 社長、株主資本等変動計算書は英語で「Statement of Shareholders’ Equity(略してS/S)」と呼ばれます。一言でいうと、純資産の部が1年間でどう変わったかを報告する財務諸表なんです! |
| 投資家 | そのとおり。B/Sは期末時点の“結果”しかわからないけど、S/Sはその変動額と変動の理由まで見せてくれるんだ。 |
| 社長 | ふむ。でも、株主資本に「等」ってついてるから、株主資本だけじゃなくて、ほかの項目も含めた純資産の全部がわかるのか? |
| 経理 | はい。純資産の部のすべての項目を記載します。その中でも、特に株主資本の変動事由を報告するのが目的なんですよ。 |
| 社長 | だったら株主資本だけ載せればいいんじゃない? ほかの純資産はよくわからんし。 |
| 経理 | たしかに、重要なのは投資の成果を表す利益の情報で、この利益とそれを生み出す株主資本との関係を明らかにすることが重要として、株主資本のみを記載すべきとする考え方もあります。 |
| 投資家 | そう。投資家にとって一番大事な「当期純利益(P/L)」は、最終的に「株主資本」に積み上がっていくものだからね。だからこそ、その連携をしっかり見たいという要望が強いんだな。 |
| 経理 | そのとおりです。ただ、現在の基準は国際的な基準に合わせて純資産全体を記載する方式になっています。 |
| 社長 | なるほどな!つまり、S/Sは純資産の変動ストーリーを株主の視点から見せる財務諸表ってわけだな! |
| 経理 | そのとおりです!ちなみに、S/Sの期首・期末残高は、必ずB/Sの純資産の金額と一致していなければなりませんよ! |
理論記述問題
Q.株主資本のみを記載するという論拠は?
A.財務諸表利用者にとって特に重要な情報は投資の成果を表す利益の情報であり、当該情報の主要な利用者であり受益者である株主に対して、当期純利益とこれを生み出す株主資本との関係を示すことが重要であるから。
第2話 株主資本と株主資本以外の各項目 ~「その他」はざっくり!~
| 社長 | 純資産のすべてを記載するのはわかったが、この変動計算書の書き方、項目によって表示の仕方が違うぞ? なんでだ? |
| 経理 | いいところに気づきましたね!株主資本の各項目は、変動事由ごとにその金額を細かく表示します。 |
| 投資家 | つまり、資本金の増減、配当、自己株式の取得・処分など、「株主資本」の動きは原因まで追えるってことだな。 |
| 経理 | はい。そして会社の儲けである当期純利益も、利益剰余金の変動事由として表示されます。 |
| 社長 | おお!損益計算書の「儲け」が、ここで「利益の蓄積(利益剰余金)」に繋がっていくのが見えるわけか! |
| 経理 | その通りです!一方で、株主資本以外の各項目(評価・換算差額など)は、原則として純額でまとめて表示します。 |
| 社長 | なぜ「株主資本」と「それ以外」で、そんな差をつけるんだ? |
| 経理 | それは情報の「有用性」と「コスト」のバランスですね。株主資本の変動は、配当や増資など、会社と株主との間の「意思決定に基づく取引」なので、詳細な内訳が必要です。 |
| 社長 | ふむ。じゃあ「それ以外」は? |
| 経理 | 「それ以外」の項目、例えばその他有価証券の評価差額などは、市場価格の変動で勝手に動くものです。これを日々細かく「上がった原因」「下がった原因」と記録するのは大変ですし、見る側も1年間のトータルの変動額(純額)さえ分かれば十分とされているんです。 |
| 社長 | なるほどなぁ!情報の有用性が異なるからか。「重要な株主との取引は詳細に!」「市場変動などのその他は、ざっくり純額で!」ってわけだな👍 |
理論記述問題
Q.株主資本とそれ以外の各項目とで、表示方法に差異を設けたのはなぜか?
A.一会計期間における変動事由ごとの金額に関する情報の有用性が異なるから。

