【シバ犬🐾簿記論】無形固定資産
目次
無形固定資産とは ― 形がないけど“権利”が主役!
| 社長 | 白柴くん、うちでも「無形固定資産」ってやつを使ってみたいんだが…形がない資産ってなんだ? 幽霊みたいなものか?😳 |
| 経理 | 幽霊ではありません💦 無形固定資産は、例えば目に見えないけれど価値のある「法律上の権利」などが該当します。 |
| 投資家 | 法律上の権利には、「特許権」「商標権」「実用新案権」「意匠権」「借地権」なんかがあるな。 |
| 社長 | なるほど、見えないけど“力”があるのか!なんかかっこいいな🐾 |
| 投資家 | ほとんどが法律で保護されたものだ。排他的・独占的に利用できる権利、これが価値の源泉だ。 |
| 経理 | 「ソフトウェア」も無形固定資産ですが、これは単独の会計基準があるので別枠で扱います。 |
| 社長 | ソフトウェアは、確か研究開発費とかも、からむんだったよな。他には、どんな無形固定資産があるんだ? |
| 経理 | 他には、企業を買収した時に出る「のれん」がありますね。 |
| 社長 | おっ、のれんって、会社を買ったときに出てくるやつだよな? |
| 経理 | そのとおりです。のれん=取得対価 − 被取得企業の正味資産、この「差額」として計算されます。 |
| 投資家 | ブランド力とか、顧客力みたいな、目に見えない超過収益力の部分だな。 |
| 社長 | これも見えないものだが、“力”があるんだな。 |
| 経理 | はい。無形固定資産は、①法律上の権利、②ソフトウェア、③のれん、この3つを押さえれば十分です。 |
無形固定資産の会計処理 ― 償却するもの・しないもの
| 社長 | 種類はだいたい分かったぞ!でも白柴くん、無形固定資産って、どう処理するんだ? 形がないとピンとこなくてな💦 |
| 経理 | まず取得時ですが、これは他の資産と同じく取得原価で計上します。外部から買えば購入代金、自社開発なら登録費用などです。 |
| 社長 | ふむふむ。取得原価基準ってやつだな。 |
| 経理 | のれんについては、「取得対価 − 被取得企業の正味資産」、この「差額」を取得原価とします。 |
| 社長 | なるほど!「差額で出す」という覚え方でいいんだな🐾 |
| 経理 | 次に会計処理ですが、無形固定資産は、目に見えなくても原則として「償却する資産」なんです。 |
| 社長 | 見えないけど償却するのか! |
| 経理 | はい。ただ有形無形固定資産の違いは、①残存価額は「ゼロ」、②償却方法は「定額法」、③記帳方法は「直接控除法のみ」で処理します。 |
| 社長 | へぇ~、毎年同じ額ずつ減らしていくんだな。 |
| 投資家 | 権利は、期限が切れたら一気に無価値になるからな。だから最終的に残存価額ゼロ、という考え方だ。 |
| 経理 | また、耐用年数ですが、法律上の権利は「法定耐用年数内」ですが、のれんは「20年以内」で償却していきます。 |
| 社長 | のれんは20年か!よし覚えておこう! |
| 経理 | はい。最後に、ひとつ例外で、借地権は土地を利用するための権利ですが、土地と同じく価値が減らないと考えられるため、「非償却性資産」として減価償却はしません。 |
| 社長 | おぉ、そうなのか!土地を借りるときに払った権利金なんかだよな。償却しないんだな。 |
| 投資家 | 「電話加入権」という非償却の無形固定資産もあるが、覚える必要はないだろう。 |
| 経理 | とりあえず無形固定資産は、「法律上の権利」と「のれん」の償却について覚えておきましょう♪ |
| 社長 | よし!無形固定資産は目に見えなかったが、これで完璧だ★ |
| 項目 | 法律上の権利 | のれん |
|---|
| 償却方法 | 定額法 | 定額法 |
| 耐用年数 | 法律上の存続期間 | 20年以内のその効果が及ぶ期間 |
| 残存価額 | ゼロ | ゼロ |
| 償却額の計算 | 法定耐用年数内で月割計算 | 20年内で月割計算 |
「無形固定資産」の本試験ポイント
- ソフトウェアとのれんを除けば、無形固定資産は特許権や商標権などの「法律上の権利」がよく出題されます。
- 無形固定資産の減価償却の計算は、繰延資産と同様、月数に換算した方が計算しやすいです。
- 建物を賃借した際の「権利金」は、借地権ではないので減価償却していきます。勘定科目も「権利金」や「差入保証金」の科目を使うので問題指示に従いましょう。