【シバ犬🐾簿記論】投資その他の資産

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投資その他の資産とは ― 営業とは別のおカネの働かせ方!

社長白柴くん、今度マンション買おうと思うんだよ!副業で家賃収入ウハウハ作戦だ🐾
経理いいですね社長。ただしそれ、会計上は有形固定資産じゃなくて「投資その他の資産」に分類しますよ。
社長えっ?建物なのに有形固定資産じゃないの?😳
投資家本業で使うか、副業として持つかで分類が変わるんだ。賃貸目的の建物は“投資”扱いになる。
経理そのとおりです。投資その他の資産には、投資目的の不動産のほか、長期貸付金や長期前払費用などの“その他の資産”も含まれます。
社長なるほど、営業とは別でおカネを働かせるためのカテゴリーって感じだな!

投資不動産 ― 副業で稼ぐための不動産!

社長よし、白柴くん、“投資不動産”について、もう少し詳しく教えてくれ!
経理投資不動産は、賃貸収益や値上がり益を目的に保有する不動産のことです。投資その他の資産の中でも重要な位置づけになります。
投資家要するに“本業とは別で稼ぐ用の不動産”だな。売るためでも使うためでもなく、“貸して稼ぐ・価値を保持する”ためのやつ。
社長ふむふむ。じゃあ不動産会社が持ってる建物はどうなんだ?
経理あれは棚卸資産です。売るのが本業なので、性質がまったく違うんですよ💦
社長同じ建物でも用途でこんなに変わるのか…じゃあ投資用に建物買ったら、仕訳はどうなるの?
経理通常の建物や土地と同じように取得原価で計上します。ただしB/Sでは、土地と建物をまとめて「投資不動産」としたり、「投資建物」「投資土地」と分けて表示することもあります。
投資家そしてもう一つ重要なのは、投資不動産の減価償却費は営業外費用になるという点だ。
社長おおっ、営業外に入るのか!営業とは関係ない稼ぎ方だからってこと?
経理そのとおりです。P/Lでは「投資不動産減価償却費」という科目でまとめて表示します。
社長よーし、副業も本業もバランスよく育てるぞ🐾 会計処理もちゃんとやらなきゃな!

ゴルフ会員権

株式方式 ― 見た目は株でも、時価評価しない!?

社長白柴くん、うちも接待ゴルフに参加するために、ゴルフ会員権を買ったんだが、あれって資産にしておけばいいんだよな?⛳
経理そうですね。「投資その他の資産」に計上します。ただし「株式方式」か「預託保証金方式」かで、会計処理がまったく違うんです。
社長おっ、またややこしそうな話だな。どっちも“会員権”って名前なのに?
経理まず、株式方式からいきましょう。これは、クラブの「株式」を保有して会員権を得る仕組みです。つまり、ゴルフ場の“株主”みたいな立場ですね。
社長なるほど、ゴルフクラブの株主か。じゃあ、時価が下がったら評価損?
経理そのとおりです。たとえば取得原価24,000円で、時価が6,500円に下落したら、評価損17,500円を計上します。
社長シンプルだな。株が下がったら損、って感じだ。
経理ただし、注意が必要です。ゴルフ会員権は原則として取得原価で評価します。相場があっても、売買件数が少なく市場の厚みが薄いので、上場株式のように“信頼できる時価”とはいえません。
投資家つまり、見た目は株でも、実際は“時価で動かさない”資産ってことだな。
経理そうです。今回のように時価が著しく下落して、回収可能性がないときだけ、減損処理を行います。
社長よし、理解したぞ!株式方式は“見た目は株、扱いは固定資産”か🐾
経理そのとおりです。会計のスコアメイクも慎重にいきましょうね⛳📘

🏌️‍♀️ 株式方式の仕訳(例:取得原価24,000、時価6,500)

借方科目金額(円)貸方科目金額(円)
ゴルフ会員権評価損17,500ゴルフ会員権17,500

預託金保証方式 ― 返ってこない!? 預託保証の落とし穴

社長さて、もう一つの「預託保証金方式」ってのはどんな仕組みなんだ?
経理これは、クラブにお金を“預けている”ようなイメージです。いわば保証金のようなものですね。
投資家なるほど。株式方式は“株主”だったけど、こっちは“預金者”っぽい感じだな。
社長じゃあ、クラブに“返してもらうお金”があるイメージか!
経理そのとおりです。ただし、クラブの経営が悪化して預託保証金が戻らないかもしれないときは、注意が必要です。
社長つまり、貸したお金が危うい感じか。そうなると…評価損とか出るの?
経理はい。たとえば取得原価24,000円、預託保証金8,000円、時価6,500円の会員権なら、まず 24,000−8,000=16,000円を評価損として計上し、さらに 8,000−6,500=1,500円を貸倒引当金として計上します。
社長うわぁ、二段階の損か…。お金、ダブルで減る感じだな💸
投資家でも理屈はわかる。「資産の価値が下がった分」と「返ってこないリスク分」ってことだな。
経理そうです。ただし、これも原則は取得原価で評価します。相場が下がったからといって、すぐに評価損を出すわけではありません。時価が著しく下落した場合のみ減損処理を行います。
社長ふむ…。どっちの方式でも“時価で右往左往しない”ってのが基本なんだな。
経理そうですね。会計もゴルフも、ラフに打つと痛い目にあいますからね⛳🐾
社長よし、次は経理じゃなくてスイングを改善するか!でも、赤字スコアは勘弁だな🏌️‍♂️

🏌️‍♂️ 預託保証金方式の仕訳(例:取得原価24,000、預託保証金8,000、時価6,500)

借方科目金額(円)貸方科目金額(円)
ゴルフ会員権評価損16,000ゴルフ会員権16,000
貸倒引当金繰入額1,500貸倒引当金1,500

「投資その他の資産」の本試験ポイント

ゴルフ会員権

  • 「株式方式」は評価損のみだが、「預託保証金方式」は評価損+貸倒引当金を設定します。
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