第1話 注記事項の覚え方 ~丸暗記バイバイ!内容で勝負せよ~
| 社長 | 白柴くん!財務諸表の注記ってなんかいっぱいあるな。どうにかスパッと覚える方法はないのか?😢 |
| 経理 | ご安心を、社長!メインの注記は「重要な会計方針」「貸借対照表等」「損益計算書」の3つです!まずは、これを押さえることです。そしてポイントは、テキストの文例を丸暗記しないことです! |
| 社長 | えっ、覚えなくていいのか?財務諸表論の試験で書くんだろ?💦 |
| 経理 | はい、注記は内容が合っていればOKなんです。文例は法定化されていませんし、実務でも試験用の言い回しとは違います。要は、必要な情報を自分の言葉で表現できれば合格点です。 |
| 投資家 | つまり、「問題文を利用して自分で作文」する力が大事。解答を丸暗記するより、自分の文章を解答に擦り合わせていくほうが実力が伸びる。 |
| 社長 | なるほど!暗記より理解して自分で書く力が大事なんだな。よし、気合でマスターするぞ!🐾 |
第2話 重要な会計方針 ~やっぱりこれだけは覚えよう!~
| 社長 | じゃあ、まずは何から押さえればいい? |
| 経理 | 重要な会計方針からですね。名前のとおり重要です。これは、企業会計原則の注解1-2を丸ごと覚えるのが王道です。 |
| 社長 | え!やっぱり暗記するのかよ! |
| 経理 | さすがに項目だけは覚えないとだめですよ💦 |
| 投資家 | 注解では、「有価証券」「棚卸資産」「固定資産」「繰延資産」「外貨建資産・負債」「引当金」「費用・収益」が挙げられてるな。 |
| 社長 | 覚えられるわけねーだろ! |
| 経理 | 大丈夫です。これは頭文字をとって覚えるのがおすすめです |
| 社長 | ほんとか~、ゆったなー!?どれっ「有・棚・固・繰・外・引・費…」、「ゆったな、こっくり、がいひきひ…」おー、何回かゆったら覚えられそうだな! |
| 経理 | はい!その調子です! |
〔注1―2〕 重要な会計方針の開示について(一般原則四及び五)
財務諸表には、重要な会計方針を 注記 しなければならない。
会計方針とは、企業が損益計算書及び貸借対照表の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した 会計処理の原則及び手続 並びに 表示の方法 をいう。
会計方針の例としては、次のようなものがある。
イ 有価証券 の評価基準及び評価方法
ロ たな卸資産 の評価基準及び評価方法
ハ 固定資産 の減価償却方法
ニ 繰延資産 の処理方法
ホ 外貨建資産・負債 の本邦通貨への換算基準
ヘ 引当金 の計上基準
ト 費用・収益 の計上基準
代替的な会計基準が認められていない場合には、会計方針の注記を省略することができる。
重要な会計方針に関する注記
1 資産の評価基準及び評価方法
⑴ 有価証券の評価基準及び評価方法
満期保有目的の債券…償却原価法(利息法)
子会社株式及び関連会社株式…総平均法による原価法
その他有価証券
① 市場価格のあるもの…時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は総平均法)
② 市場価格のないもの…総平均法による原価法
⑵ 棚卸資産の評価基準及び評価方法
商品…先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)
貯蔵品…総平均法
2 固定資産の減価償却方法
⑴ 有形固定資産
建物…定額法
機械装置…定額法
車両運搬具…定額法
器具備品…定率法
⑵ 無形固定資産
定額法を採用
3 引当金の計上基準
⑴ 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
⑵ 賞与引当金
従業員に対する賞与支給に備えるため、翌期の支給見込額のうち当期負担額を計上している。
⑶ 役員賞与引当金
役員に対する賞与支給に備えるため、翌期の支給見込額のうち当期負担額を計上している。
⑷ 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当期末における退職給付債務に基づき、当期末において発生していると認められる額を計上している。
⑸ 役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支給に備えるため、役員退職慰労金規程に基づく期末要支給額相当額を計上している。
4 収益及び費用の計上基準
5 その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項
① 繰延資産の処理方法 費用処理か資産計上かを必ず記載し、資産計上した場合は償却方法も記載する
株式交付費は、株式交付のときから3年間にわたり定額法により償却している。
社債発行費は、社債償還期間(5年間)にわたり定額法により償却している。
開発費は、支出時に全額費用処理している。
② 消費税
消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の会計処理は、税抜方式による。
第3話 貸借対照表等に関する注記 ~区分けができれば怖くない!~
| 社長 | 「ゆったな、こっくり、がいひきひ~🎵(笑)」よし、白柴くん覚えたぞ!次は、貸借対照表等注記か!?。これはややこしそうだな…。 |
| 経理 | いえいえ、会計方針との違いを理解していれば大丈夫です!これはざっくり言うと、財産に関する補足説明です。 |
| 投資家 | 具体的には、関連会社や取締役に対する貸付金や借入金の内訳のように、投資家が気にする財産の「裏事情」を説明する注記だな。 |
| 社長 | ぎくっ!俺会社からお金借りてる… |
| 投資家 | 代表取締役に対する貸付金1,000万円か。これは要注意だな。 |
| 経理 | 社長💦 ほかには、たとえば有形固定資産の減価償却累計額の内訳や貸倒引当金の内訳など、将来の義務につながる保証債務事項の開示なども該当します。 |
| 社長 | なるほど、会計方針の注記は「方法」を、貸借対照表等の注記は「財産の中身」を伝えるってことか! |
| 経理 | そのとおりです!文例を覚えるよりも、何を書く注記なのかを理解して作文することが大切。そうすれば、区分けは自然に身につきますよ。 |
| 社長 | よし!内容を理解して書く、それが“注記マスター”への道だな💪 |
貸借対照表等に関する注記
⑴ 減価償却
直接控除方式(科目別注記方式)
有形固定資産の減価償却累計額
建物 ××円、 器具備品 ××円
直接控除方式(一括注記方式)
有形固定資産の減価償却累計額 ××円
⑵ 貸倒引当金
直接控除方式(科目別注記方式)
資産から直接控除した貸倒引当金
受取手形 1,380千円、売掛金 2,640千円☆、長期貸付金 4,000千円
直接控除方式(一括注記方式)
資産から直接控除した貸倒引当金
短期金銭債権 4,020千円
長期金銭債権 4,000千円
⑶ 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務は次のとおりである。 (科目別注記方式)
受取手形 ☓☓☓ 千円、売掛金 ☓☓☓ 千円、短期貸付金 ☓☓☓ 千円、長期貸付金 ☓☓☓ 千円
支払手形 ☓☓☓ 千円、買掛金 ☓☓☓ 千円、短期借入金 ☓☓☓ 千円、長期借入金 ☓☓☓ 千円
⑷ 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務は次のとおりである。 (一括注記方式)
短期金銭債権 ☓☓☓ 千円、長期金銭債権 ☓☓☓ 千円
短期金銭債務 ☓☓☓ 千円、長期金銭債務 ☓☓☓ 千円
⑸ 担保に供している資産及び担保に係る債務
担保に供している資産
定期預金 ××円、建物 ××円、土地 ××円、
担保に係る債務
短期借入金 ××円、長期借入金 ××円
⑹ 保証債務及び手形遡及債務
① 〇〇株式会社の借入金に対し、××円の債務保証を行っている。
② 受取手形の割引高 ××円、受取手形の裏書譲渡高 ××円
| ポイント:保証債務や手形遡及債務などの偶発債務は、企業にとって将来の財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼすおそれがあるため注記が必要です。 |
⑺ 取締役等に対する金銭債権及び金銭債務
金銭債権×××千円、金銭債務×××千円
| ポイント:取締役等に対する金銭債権及び金銭債務は、それらの総額を記載します。科目ごとに内容や金額を注記する必要はありません。 |
第4話 損益計算書原則に関する注記 ~基本は1つの注意書き~
| 社長 | ふー、なんとかいけそうだな。最後はなんだっけ? |
| 経理 | さすがです社長!最後は損益計算書です。会社計算規則では、損益計算書の注記は基本1個だけなので簡単です! |
| 社長 | えっ、1個だけ!?余裕だな。なんの項目なんだ? |
| 経理 | 関係会社との取引高です。関係会社は、貸借対照表の注記でも出てきましたが、今度はPL項目ですね。 |
| 社長 | まー、関係会社だから、当然、仕入れなんかはあるよな! |
| 経理 | はい。わが社で行けば、秋田犬カンパニーとの取引を書けば大丈夫です。売上や仕入の営業取引はそれぞれ総額を記載しますが、配当や利息などの営業以外の取引についてはまとめて総額を記載します。 |
| 投資家 | そうか。シバ犬社は、秋田犬カンパニーとも取引があるんだな。ふむふむ。 |
| 社長 | おー、黒柴さんがうなづいている。やっぱり注記は大事なんだな~。後、基本1個ってことは、他にもやっぱあるのか? |
| 経理 | はい。メーカーの会社さんが該当しますが、研究開発費があった場合も、その総額を注記します。 |
| 社長 | うちも、AI柴犬開発しているじゃん!研究開発費を注記しなきゃ! |
損益計算書に関する注記
関係会社との取引高
売上高 ☓☓☓ 千円
仕入高 ☓☓☓ 千円
営業取引以外の取引高 ☓☓☓ 千円
一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費の総額 ☓☓☓ 千円
参考条文
会社計算規則>第三編 計算関係書類>第5章 注記表
(注記表の区分)
第九十八条 注記表は、次に掲げる項目に区分して表示しなければならない。
一 継続企業の前提に関する注記
二 重要な会計方針に係る事項(連結注記表にあっては、連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項及び連結の範囲又は持分法の適用の範囲の変更)に関する注記
三 会計方針の変更に関する注記
四 表示方法の変更に関する注記
四の二 会計上の見積りに関する注記
五 会計上の見積りの変更に関する注記
六 誤謬の訂正に関する注記
七 貸借対照表等に関する注記
八 損益計算書に関する注記
九 株主資本等変動計算書(連結注記表にあっては、連結株主資本等変動計算書)に関する注記
十 税効果会計に関する注記
十一 リースに関する注記
十二 金融商品に関する注記
十三 賃貸等不動産に関する注記
十四 持分法損益等に関する注記
十五 関連当事者との取引に関する注記
十六 一株当たり情報に関する注記
十七 重要な後発事象に関する注記
十八 連結配当規制適用会社に関する注記
十八の二 収益認識に関する注記
十八の三 国際最低課税額に対する法人税等に関する注記
十九 その他の注記

