【シバ犬🐾財務諸表論】損益会計

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損益会計って何? ~「現金主義」と「発生主義」の違い~

社長白柴くん、ウチの今年の利益はいくらだ?現金はたっぷりあるから、きっとすごい額になってるぞ💰
経理社長、ちょっと待ってください。確かに現金は潤沢ですが、会計でいう利益は、単純な現金の増減ではないんですよ。
社長え、そうなの?じゃあ、現金が動いた時だけ記録する「現金主義」じゃダメなの?一番シンプルで確実だろ?
経理「現金主義」は、おっしゃる通り客観性と確実性があります。でも、ツケで売った売上が計上されず、利益の計算がズレちゃうんです。😢
投資家現金主義だと、まだ手元に現金がない、つまり貨幣性資産の裏付けのない利益は計算されないな。分配可能性、つまり株主への配当の面では優れているが、業績指標としては弱い。
経理そのとおりです。そこで登場するのが、「発生主義」です。
社長発生主義?なんじゃそりゃ?
経理経済的価値の増減事実の発生に基づいて収益と費用を認識するんです。現金が動いたかどうかは関係ありません。

発生主義のメリット・デメリット ~業績と利益の正しい関係~

社長なるほど、「売上」という事実が発生したらすぐ計上する「発生主義」の方が、ウチの頑張り(業績)がすぐに利益に反映されるってことか!
経理はい、発生主義の最大の長所は、努力(費用)と成果(収益)が適切に対応すること、つまり「業績指標性」に優れている点です!
社長じゃあ、全部発生主義でやれば問題ないじゃないか!
投資家そう単純でもない。発生主義には難点がある。
経理💦 実はそうなんです。例えば、まだ回収できていない「売掛金」を収益として計上すると、本当に現金化できるか(客観性と確実性)に欠けるという問題があるんです。
社長現金になってないのに利益だけ増えても、配当は出せないもんな。
投資家その結果、貨幣性資産の裏付けのない利益が算出され、分配可能性の面で問題が出てくる。
経理現金主義は分配可能性、発生主義は業績指標性、それぞれ得意な面が違うんですよ。

費用認識の原則 ~費用はなぜ発生主義で計上するのか?~

社長収益はちょっとややこしいけど、費用はシンプルに現金が減ったときでいいんじゃないか?
経理費用認識の原則は、発生主義(発生基準)なんです。現金主義は原則として使いません。
社長なぜだ?現金が減った方が確実だろう?
経理費用の認識基準としての発生主義は、費用を経済価値の費消事実の発生に基づいて認識する考え方です。
投資家費用を現金主義で計上すると、経営努力と費用の計上が合わなくなることが多い。
経理 そのとおりです。例えば、広告を打ってすぐに現金を払っても、その広告の費用がすぐに経営努力を反映するとは限りません。現金主義だと、費用が不適切な期間に計上され、利益の業績指標性が大きく損なわれるからです。
社長なるほど。利益を「頑張りの結果」として正しく測るためには、費用も「使われた事実」で認識する必要があるわけか。

収益認識の第三の基準 ~企業会計原則の切り札「実現主義」~

社長収益は、現金主義だと遅すぎる。発生主義だと確実性に欠ける。どうすればいいんだ?
経理そこで誕生したのが、「実現主義」です。収益認識基準は、古い順に現金主義、発生主義、そして実現主義と進化してきました。
社長実現主義?それがウチの会計原則で採用されてる切り札なんだな?
経理はい、企業会計原則では、収益の認識基準として原則的に実現主義を採用しています。
投資家実現主義は、発生主義の欠点を克服するために生まれた考え方だ。
経理実現とは、「財貨又は用役が貨幣性資産に形を換えること」を意味します。
社長「売上として認めますよ」ってことか。具体的にどうなった「実現」なんだ?
経理要件は2つです。1.財貨又は用役を相手方に引渡すこと。2.対価として貨幣性資産を受領すること(または受領する権利が確定すること)。

実現主義の根拠 ~なぜ収益は「実現」が原則なのか?~

社長なぜ、実現主義が収益認識の原則とされているんだ?分配可能性業績指標性のどっちが決め手なんだ?
経理どちらの観点からも説明できますが、特に発生主義の欠点を克服しているという点で、分配可能性が大きな根拠となります。
社長詳しく頼む!
経理実現収益は、企業外部との取引に基づくため、客観性と確実性を備えています。これが一つ目の理由です。
投資家また、対価として現金か売掛金という貨幣性資産を受領するから、利益にその裏付けがある。これが二つ目の理由だ。
経理そのとおりです。これにより、株主への配当など分配の裏付けとして利用できるという点で、実現主義は優れているんです。
社長なるほど!確実な利益裏付けのある利益だから、原則なんだな!
経理業績指標性から見ても、販売(実現)時点は企業活動の最重要目標であり、適切な経営成果を示すとされています。

費用収益対応の原則 ~正しい利益計算の要(かなめ)~

社長実現主義で収益を計上して、発生主義で費用を計上する。これで終わりか?
経理いいえ、最後に最も重要な原則、「費用収益対応の原則」があります!
社長ヒーヨーショウエキタイオー?舌を噛みそうだ💦
経理期間収益と期間費用は、因果関係によって対応づけるべきだという原則です。目的は適正な期間損益計算を行うことです。
投資家収益は実現主義、費用は発生主義で計上する。そうなると、計上時期に期間的ずれが生じる場合がある。それを正しく結びつけるのがこの原則の役割だ。
社長具体的にはどういう対応があるんだ?
経理対応形態は2つです。一つは個別的対応(直接的対応)。もう一つは期間的対応(間接的対応)です。
社長代表例は何だ?
経理個別的対応の代表は、売上高と、それに対応する売上原価です。期間的対応の代表は、売上高と、その期間に発生した販売費及び一般管理費の対応です。

収益・費用の測定基準 ~費用は「過去・現在・未来」の支出額~

社長どの原則で収益と費用を認識するかは分かった。じゃあ、その「額」はどうやって決めるんだ?
経理収益及び費用の測定は、「収支額基準」によって行います。
社長収支額基準?さっきの現金主義に似てるな?
経理「収益は収入額に基づき、費用は支出額に基づき額を決定する」という点で、現金主義と関連が深いですが、これは測定のルールです。
投資家この「収支額」は、過去、現在、将来の支出額を広義に含んでいる。
経理そのとおりです。例えば、減価償却費は、建物を建てた過去の支出額が測定基礎となります。また、引当金は、将来の支出を今見積もる将来の支出額が測定基礎となるんです。
社長なるほど!ただの現金支出じゃない、「一致の原則」とも関係するんだな?
経理はい。期間利益の合計が、全体収支と一致するという「一致の原則」を成立させるためにも、この収支額基準**が必要なんです。

企業会計原則の損益会計体系 ~4つの原則の集大成~

社長じゃあ、ウチの会計(企業会計原則)がやってる損益計算の全体像を教えてくれ!
経理承知しました。企業会計原則の損益計算の体系は、以下の4つの原則で成り立っています。
社長4つか!
経理1.収益を実現主義により認識し(未実現収益は計上しない)。2.費用を発生主義により認識し(発生した期間に正しく割り当てる)。
投資家3.その額は収支額基準に基づいて計上し。4.費用収益対応の原則により、期間収益と期間費用を対応づけて利益を計算する。
社長おお、これまでの話が全部つながったぞ!特に、損益計算書原則には、この4つがちゃんと要請されているんだな!
経理そのとおりです!これらを適用することで、業績指標性分配可能性を両立させた、最も適切な期間利益の計算が行えるんです!

第二 損益計算書原則

(損益計算書の本質)

一 損益計算書は、企業の 経営成績 を明らかにするため、一会計期間に属する すべての収益 とこれに対応する すべての費用 とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して 当期純利益 を表示しなければならない。

A すべての費用及び収益は、その 支出及び収入 に基づいて計上し、その 発生した期間 に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、 未実現収益 は、原則として、 当期の損益計算 に計上してはならない。(略)

白柴経理

経常利益特別損益については、「財務諸表」のテーマで取り扱ってるよ!

参考条文

企業会計審議会 企業会計原則・同注解(HTML版

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