目次
圧縮記帳とは -補助金は“丸どり”じゃない!?
| 社長 | 白柴くん!ついに最新式の成形機を買ったぞ!補助金も80万円もらえるし、うちは安泰だな😎✨ |
| 経理 | いいですね社長。でも、その補助金、受贈益としてまるごと利益にすると課税されますよ。 |
| 社長 | えっ💦 補助金でも税金かかるの!? もらっただけでお金増えてないのに? |
| 経理 | そうなんです。そこで登場するのが 圧縮記帳。補助金と同じ金額を“費用”扱いにして、課税を繰り延べる制度です。 |
| 投資家 | 補助金は“経済的利益”だから益金に入る。でも、そのまま課税すると困るから、調整の仕組みが必要ってわけだな。 |
| 社長 | なるほど…補助金をもらったら圧縮って覚えておけばいいのか🐾 |
直接減額方式 -原価がスリムに!?
| 社長 | で、圧縮ってどうやるんだ?なんか難しそうだな💦 |
| 経理 | 一つ目は 直接減額方式。例えば成形機の取得原価が200万円、補助金が80万円の場合… |
| 経理 | (メモを見せながら)取得原価200万円 − 圧縮損80万円 = 簿価120万円になります。 |
| 社長 | うおっ😳 80万円分、原価がスリムになってる! |
| 投資家 | ただし注意な。原価が減る分、今後の減価償却費が減る。つまり、毎年の費用が少なくなり、利益が増える。 |
| 社長 | あっ…ってことは税金も増える!?😢 |
| 経理 | そのとおり。けど、全体でみると税額は同じ。単に「補助金の課税を後ろにずらす」だけですね。 |
積立金方式 -原価はそのまま、利益をロック!
| 社長 | じゃあ、原価を減らしたくないときはどうするんだ? |
| 経理 | そんなときは 積立金方式。資産の簿価は200万円のまま、補助金80万円を別枠で 圧縮積立金 として積み立てます。 |
| 社長 | ほうほう、原価は変わらないのか。減価償却も普通どおり? |
| 経理 | 定額法、耐用年数5年、残存価額ゼロなので、毎年の減価償却費は 200万円 ÷ 5年 = 40万円 です。補助金分の取り崩しは、80万円 ÷ 5年 = 16万円/年 になります。 |
| 社長 | なるほど、毎年16万円ずつ利益のロックを解除していく感じか🐾 |
| 投資家 | そのとおり。会計上の簿価は200万円だから資産の実態は歪まないし、税務上も直接減額方式と同じ扱いになる。数字でいうと、毎年の所得は 減価償却40万円 − 取り崩し16万円 = 24万円の課税所得 になるわけだ。 |
| 社長 | うーん、数字で見ると分かりやすいな。直接減額方式みたいに簿価を小さくする必要がないわけだね。 |
| 経理 | はい、積立金方式のメリットはそこです。デメリットは仕訳が増えることだけ💦 |
| 社長 | よし!これで税金も資産も両方うまく管理できるぞ😎✨ |
数字入り簡易図解(積立金方式)
| 年度 | 減価償却費 | 圧縮積立金取り崩し | 課税所得 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 40万円 | 16万円 | 24万円 |
| 2年目 | 40万円 | 16万円 | 24万円 |
| 3年目 | 40万円 | 16万円 | 24万円 |
| 4年目 | 40万円 | 16万円 | 24万円 |
| 5年目 | 40万円 | 16万円 | 24万円 |
| 合計 | 200万円 | 80万円 | 120万円 |
第4話 どっちも結果は同じ? ~利益のタイミングだけが違う~
| 社長 | でもさ…直接減額と積立金って、結局どっちが得なんだ? |
| 経理 | 実は、最終的な累計所得は同じなんです。違うのは“いつ利益が出るか”だけ。 |
| 投資家 | 直接減額方式は、原価が減る分、あとで利益が増える。積立金方式は、利益のロックを少しずつ解除する。 |
| 社長 | つまり…タイミングだけ違うけど、合計は同じってことか。なんか税金の“時間調整”みたいだな⏳ |
| 経理 | そのとおり。圧縮記帳の本質は 税金の繰り延べ なんですよ。 |
| 社長 | よし!補助金をもらったら、うちは圧縮記帳で賢くいくぞ🐾✨ |
💡 ポイントまとめ
- 直接減額方式:資産簿価を減らす → 減価償却費も減る → 税金の繰延べ
- 積立金方式:資産簿価はそのまま → 圧縮積立金で課税所得を調整 → 会計上の整合性維持
- 両方式とも 最終的な累計所得・税額は同じ
- 圧縮記帳は本質的に 税金のタイミング調整(繰延べ) の手法

