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純資産の部 -「会社に本当に残ったお金」ってどこ?
| 社長 | 白柴くん、うちの会社、今年は黒字だし資産も増えたぞ!もう安心だよな😄 |
| 経理 | それは良いニュースですね、社長。でも、本当に会社に「残った力」を見るには、「純資産の部」を見る必要があります。 |
| 社長 | じゅ、純資産? 資産ってついてるから、資産の仲間か? |
| 経理 | いえ、純資産は「資産-負債」で計算されるもので、資産でも負債でもない区分なんです。 |
| 社長 | えぇ~!どっちでもないって、なんかフワッとしてるなぁ💦 |
| 投資家 | フワッとはしてない。会社が本当に自分のものとして持っている部分だ。ここが弱い会社は、借金頼みだ。 |
| 社長 | ぐっ…いきなり厳しいな、黒柴さんは😢 |
| 経理 | 純資産の中でも特に重要なのが、株主資本です。具体的には、資本金・資本剰余金・利益剰余金ですね。 |
| 社長 | あっ、それ聞いたことある!でも正直、どれも似たような名前で区別がつかん🐾 |
| 経理 | そこが勉強のしどころです。特にこの3つは、純資産会計の最重要ポイントです。 |
| 投資家 | なお、貸借対照表の純資産の部は、項目と並び順がほぼ固定だ。暗記できていないと分析はできない。 |
| 社長 | えっ、順番まで決まってるのか!? 自由じゃないんだなぁ…。 |
| 経理 | はい。純資産の部は大きく、「株主資本」と「それ以外」の2つに分かれます。 |
| 社長 | 「それ以外」って雑すぎないか? |
| 経理 | そこには、評価・換算差額等や新株予約権などが入ります。 |
| 投資家 | 昔の企業会計原則にはなかったが、今はその他有価証券評価差額金などが代表例だ。 |
| 社長 | なるほど、時代と一緒に増えてきた項目ってことか。 |
| 経理 | ちなみに、資本剰余金・利益剰余金は会計の用語で、資本準備金・利益準備金は会社法上の用語なんですよ。 |
| 社長 | うわぁ、法律と会計で言葉が違うのか…混乱するやつだ😵 |
| 投資家 | 混同は許されない。どこから生まれたお金かで、意味がまったく変わる。 |
| 社長 | よし分かった!純資産は「会社の地力」、その中心が「株主資本」ってことだな! |
| 経理 | そのとおりです、社長😊 |
株主資本の各項目 -「増える」「入れ替わる」「積み立てる」
| 社長 | よーし白柴くん!もっと事業を拡大したいから、株式を発行して資金調達だ! |
| 経理 | いいですね社長。株式の発行は資本金を集めるための手続です。株を買った人が株主になります。 |
| 社長 | 株主ってことは…配当とか、口出しする権利があるんだな? |
| 経理 | そのとおりです。配当請求権と議決権が与えられます。 |
| 投資家 | 公募、株主割当、第三者割当…誰に出すかで意味が変わる。 |
| 社長 | うちはドーンと公募でいこう! |
| 経理 | その場合、原則として払込金額の全額を資本金に組み入れます。 |
| 社長 | 原則? ってことは例外もあるのか? |
| 経理 | はい。払込金額の2分の1を超えない範囲で、資本準備金に回すことも認められています。 |
| 社長 | えっ、なんでわざわざ分けるんだ?💦 |
| 経理 | 資本金にすると、減らすときに手続が重くなるなど、後の運営で制約が出る場合があるからです。そのため会社法では、払込金額のうち一定額を資本準備金として計上することを認めています。 |
| 投資家 | つまり、最初から全部を資本金にせず、将来の柔軟性を残しておくわけだな。ただ、会計理論上は、資本金でも資本準備金でも本質は同じだ。 |
| 社長 | なるほど…「資本準備金にしておく」という選択肢を、会社法が用意してくれているってことか🐾 |
| 経理 | それから、払込期間中の入金は、いきなり資本金にならず、「新株式申込証拠金」として処理します。 |
| 社長 | えっ、まだ自分のお金じゃないのか? |
| 経理 | はい。「別段預金」に一時保管され、払込期日が来てはじめて、資本金や資本準備金に振り替えられます。 |
| 投資家 | 会社が自由に使えない金だという点がミソだ。 |
| 社長 | うーん、株のお金って意外と厳重管理なんだな…。 |
| 経理 | 次は計数の変動です。これは、株主資本の中で項目同士を振り替えることです。 |
| 社長 | え? お金が増えたり減ったりしないのに、動くのか? |
| 経理 | そのとおりです。株主資本の総額は変わりません。 |
| 投資家 | だが、何でも振り替えていいわけじゃない。払込資本と留保利益の壁は特に重要だ。 |
| 社長 | 払込資本? 留保利益? また難しい言葉が出たぞ😢 |
| 経理 | 払込資本=資本金・資本準備金など、留保利益=利益準備金・繰越利益剰余金・任意積立金です。 |
| 投資家 | 払込資本を留保利益に落とす振替はNG。逆は一部OK。 |
| 社長 | えっ、逆はいいのか? |
| 経理 | はい。たとえば、利益準備金や繰越利益剰余金を資本金に振り替えることは、会社法が認めています。 |
| 社長 | へぇ~、利益を「資本金に格上げ」できる感じだな! |
| 経理 | 次は、「任意積立金」です。これは、会社が任意で利益を積み立てる制度です。 |
| 社長 | よし!じゃあ「社長の夢・豪華社屋積立金」とか作っていいか!? |
| 経理 | 名前は自由ですが、積み立てには株主総会の承認が必要です💦 |
| 投資家 | 株主としては、積み立て=配当が減るという面もある。歓迎ばかりではない。 |
| 社長 | ぐっ…耳が痛い…。 |
| 経理 | なお、任意積立金の積立や取崩をしても、留保利益の総額は変わりません。 |
| 社長 | つまり、中で場所が入れ替わるだけなんだな。 |
| 投資家 | そのとおり。見た目は変わるが、会社の体力は変わらない。 |
| 社長 | よし分かった!株式発行で増やして、計数の変動で整えて、任意積立金で守る…って感じだな! |
| 経理 | そのとおりです、社長😊 |
新株式申込証拠金
新株発行に係る払込金は、申込日から払込日までの間、純資産の部の「新株式申込証拠金」として処理し、相手勘定は「別段預金」とします。この期間中に「株式交付費」が発生することがありますが、まだ株式の交付が行われていないため、繰延資産として計上しても償却はできません。払込日が到来すると、新株式申込証拠金を「資本金」へ振り替えます。なお、割当てに漏れた申込者については、逆仕訳を行い、払込金を返金します。
剰余金の配当 - 株主よろこび、会社は慎重
| 社長 | よーし白柴くん!今年は黒字だし、株主のみんなに配当を出すぞ! |
| 経理 | いいですね。ただし社長、配当できるのは会社法上の剰余金だけです。 |
| 投資家 | つまり、その他資本剰余金か、その他利益剰余金だな。 |
| 社長 | 任意積立金からも出せるんじゃないのか? |
| 経理 | それは一度取り崩して、繰越利益剰余金に戻してからでないと配当できません。 |
| 社長 | なるほど、積立金は一時預かりみたいなものか🐾 |
| 経理 | それと、配当は原則、株主総会の決議が必要です。 |
| 社長 | えっ、毎回総会!? 大変すぎないか? |
| 経理 | そこで例外として、年1回だけは取締役会決議だけでできる「中間配当」が認められています。 |
| 投資家 | 株主としては、配当は回数も金額も多い方がうれしいがな。 |
| 社長 | ところで配当って、決めた瞬間にお金が出ていくのか? |
| 経理 | いいえ。通常はまず、未払配当金として負債に計上して、後日支払います。 |
| 社長 | 配当なのに「負債」なのか! |
| 経理 | はい。「支払う義務が確定した時点」では、もう負債です。 |
| 投資家 | 次の決算まで未払のままなら、流動負債に載るからな。 |
| 社長 | よし、じゃあ配当6,000円出すぞ! |
| 経理 | ちょっと待ってください社長。配当するときは、準備金の積立が強制されます。 |
| 社長 | えっ!? 配当したいのに、また積み立てるのか!? |
| 経理 | はい。これは債権者保護のための会社法のルールです。 |
| 投資家 | 基本は、配当額の10分の1を準備金に積み立てる。 |
| 社長 | じゃあ6,000円配当なら、600円は準備金か…。 |
| 経理 | ただし、準備金の合計が資本金の4分の1に達したら、それ以上は不要です。 |
| 社長 | おっ、それならうちはもう上限に近かったな! |
| 経理 | その場合は、不足している分だけ積み立てればOKです。 |
| 投資家 | だから配当を出すときは、「10分の1」と「4分の1まで」の両にらみ計算が重要だ。 |
| 社長 | ふむふむ…。配当って思ったより制限だらけだなぁ。 |
| 経理 | そうですね。では次に、損失が出たときの話です。 |
| 社長 | えっ!?聞きたくない未来が来たぞ…💦 |
| 経理 | 繰越利益剰余金がマイナスになった状態が「処理すべき損失」です。 |
| 投資家 | その赤字、誰が埋めると思う? |
| 社長 | まさか……株主? |
| 経理 | そのとおりです。損失処理は、株主資本を取り崩して行います。 |
| 社長 | 利益のときは配当、赤字のときは負担か…うぅ。 |
| 経理 | どの項目を取り崩すかは、株主総会の決議で決められます。 |
| 投資家 | 場合によっては、資本金(払込資本)を取り崩すこともある。 |
| 社長 | えっ!?それって、元本が減るってことだろ!? |
| 経理 | はい。でもそれは、赤字で毀損した部分を株主が責任として負担するという意味です。 |
| 投資家 | 株主は、儲かれば配当をもらい、損すれば元本が削られる。これが株式会社の本質だ。 |
| 社長 | なるほど…配当はご褒美、損失処理は責任ってわけだな🐾 |
| 経理 | その理解で完璧です、社長。 |
≪準備金の積立ルール≫
準備金積立額 = ① 配当額 × 1/10 ② 資本金×1/4 までの不足額 いずれか小さい額
★剰余金の配当に関する仕訳
| 配当金決議時 (株主総会時) | その他資本剰余金 ×× 繰越利益剰余金 ×× | 未払配当金 ×× 資本準備金 ×× 利益準備金 ×× | 準備金の積立ルールに基づいて積み立てる |
| 配当金支払時 | 未払配当金 ×× | 現金預金 ×× | 配当金を支払う |
自己株式の取得 - 買い戻しは資本の逆回転
| 社長 | 白柴くん、うちの株を会社が自分で買うってのはアリなのか? |
| 経理 | はい、それが自己株式の取得です。 |
| 社長 | えっ、自分で自分の株を買うの!? 不思議だな😳 |
| 投資家 | 新株発行の真逆の取引だ。資本を増やすか、減らすかの違い。 |
| 経理 | 新株発行は資本金が増加、自己株式の取得は株主資本が減少方向になります。 |
| 社長 | じゃあ社長の独断でサクッと買っていいか? |
| 経理 | それはダメです💦 原則は株主総会、または取締役会の決議が必要です。 |
| 投資家 | 経営者の暴走を防ぐためのルールだな。 |
| 社長 | なるほど…勝手に株をいじれないわけか。 |
| 経理 | それと重要なのが、自己株式を取得しても株式そのものは消えないという点です。 |
| 社長 | えっ? 減らないの? |
| 経理 | はい。消却という正式な手続きをしない限り、株式は存続します。 |
| 投資家 | つまり、あとで売却して市場に再放出もできるということだ。 |
| 社長 | じゃあ会社が一時的に預かってる感じだな🐾 |
| 経理 | そのイメージで大丈夫です。 |
| 社長 | でもなんで、わざわざ自己株式なんて買うんだ? |
| 経理 | 理由はいろいろありますが、株価対策や資本政策などが代表例です。 |
| 投資家 | ただし、必ず株価が上がるとは限らない。そこは勘違いするな。 |
| 社長 | 甘い話じゃないってことか…😢 |
| 経理 | それから、自己株式には重要な権利制限があります。 |
| 社長 | 権利制限? |
| 経理 | まず、配当請求権がありません。 |
| 投資家 | 会社が自分に配当するなんて、おかしいからな。 |
| 経理 | さらに、株主割当による新株発行でも割当を受けられません。 |
| 社長 | なるほど、完全に「権利ストップ状態」だな。 |
| 経理 | 次に、自己株式取得時の会計処理です。 |
| 社長 | 仕訳も特別なのか? |
| 経理 | はい。自己株式は「資産」ではありません。 |
| 投資家 | だから、株主資本から間接的に控除する形式になる。 |
| 社長 | 直接マイナスしないのか? |
| 経理 | 手続上、この時点では正式に資本は減少できない暫定状態だからです。 |
| 社長 | なるほど、まだ仮のマイナスなんだな。 |
| 経理 | 例えば、自己株式を1,000円で取得した場合の仕訳はこうです。 |
| 社長 | おっ、仕訳だな! |
| 経理 | 借方:自己株式 1,000 / 貸方:現金 1,000 です。 |
| 投資家 | 自己株式は借方残高のマイナス項目になる。 |
| 社長 | えっ、借方なのにマイナス!?ややこしいなぁ💦 |
| 経理 | 貸借対照表では、株主資本の△(マイナス)として表示します。 |
| 投資家 | 時価評価はしない。取得原価のまま固定だ。 |
| 社長 | じゃあ、買うときにかかった手数料とかは? |
| 経理 | それは自己株式の取得原価に含めず、営業外費用にします。 |
| 社長 | 販売費じゃないのか? |
| 経理 | 自己株式の取引は財務活動であって営業活動ではないからです。 |
| 投資家 | ここ、試験でよく狙われるポイントだ。 |
| 社長 | ふむ…自己株式って、ただの「買い戻し」じゃなくて、会計的にはかなり重たい取引なんだな🐾 |
| 経理 | そのとおりです。 |
自己株式の処分と消却 - 自己株式のゴールは2つ
| 社長 | 白柴くん、前に買った自己株式、このままずっと持ってていいのか? |
| 経理 | いいえ社長。自己株式は「暫定的な状態」なので、最終的には処分するか、消却するかのどちらかになります。 |
| 投資家 | どちらも原則は取締役会の決議が必要だ。 |
| 社長 | よし、じゃあまず「処分」ってやつから教えてくれ! |
| 経理 | 自己株式の処分=有償で第三者に引き渡すこと(売却)です。そして重要なのが、処分価額と帳簿価額の差額の処理です。 |
| 社長 | お、損か得かって話だな? |
| 経理 | はい。自己株式100を102で処分すれば、処分差益2です。 |
| 社長 | よし得したな!儲けだ! |
| 経理 | いいえ。損益ではなく、「その他資本剰余金」の増加です。 |
| 投資家 | 自己株式の取引は資本取引とみなすんだ。だから、逆に100を98で処分すれば、処分差損2 。「その他資本剰余金」の減少だ。 |
| 社長 | なるほど、だから全部「その他資本剰余金」で調整するんだな🐾じゃあ、処分するときの手数料も同じか? |
| 経理 | いいえ。「株式交付費」として、原則は費用処理、または繰延資産です。 |
| 社長 | よし、わかった。じゃあ、次は「消却」ってやつだな! |
| 経理 | はい。自己株式の消却は、株式そのものを法的に消滅させる手続です。 |
| 社長 | えっ、本当にこの世から消えるのか😳 |
| 経理 | その結果、発行済株式数が減少します。 |
| 投資家 | だから、1株あたりの価値が上がる、持株比率が上がる、敵対的買収の防衛にもなる。 |
| 社長 | いいことづくめだな! |
| 経理 | ただし会計処理では、自己株式の帳簿価額分だけ「その他資本剰余金」を減少させます。 |
| 社長 | えっ、除却損みたいな感じじゃないのか? |
| 経理 | 消却は損益取引ではなく資本取引で、資本金や資本準備金は会社法上、簡単に減らせないからです。 |
| 投資家 | だから原則は「その他資本剰余金」の減少になる。 |
| 社長 | なるほど、消すと「その他資本剰余金」が削れるのか。 |
| 経理 | ここで注意点が1つあります。 |
| 社長 | いやな予感がするぞ…😢 |
| 経理 | その他資本剰余金は、帳簿上マイナスになることがあります。 |
| 社長 | えっ!? 資本なのにマイナス!? |
| 経理 | ただし、貸借対照表の表示上はマイナスは許されません。 |
| 投資家 | 払込資本に「マイナスの払込み」は存在しないという理屈だ。 |
| 社長 | じゃあ、マイナスになったらどうするんだ? |
| 経理 | 期末に必ず、繰越利益剰余金と相殺してゼロにします。 |
| 社長 | 期中は放置で、決算で調整するんだな🐾 |
| 経理 | そのとおりです。 |
| 社長 | ところでさ、新株発行と自己株式の処分って、同時にできるのか? |
| 経理 | はい。株式の募集では、新株と自己株式を併用できるとされています。 |
| 投資家 | その場合、払込額を、自己株式分と新株分に株数比で按分する。 |
| 社長 | じゃあ、処分差損が出たらどうする? |
| 経理 | 原則はその他資本剰余金の減少ですが、新株発行と同時なら、発行対価から控除して資本金組入額を計算します。 |
| 投資家 | ただし、損が大きすぎて発行対価を超えた部分は、結局その他資本剰余金の減少になる。 |
| 社長 | おぉ…自己株式って、最後までややこしいなぁ💦 |
| 経理 | でも社長、流れで押さえるとこうです。取得→保有→処分 or 消却。 |
| 投資家 | そして最後は、その他資本剰余金が動くから必ず株主資本の構成が変わる。それが自己株式の本質だ。 |
| 社長 | よし…これで「株主資本シリーズ」完全制覇だな!🐾 |
自己株式申込証拠金
募集株式の発行等で自己株式を処分する場合の払込金は、申込日から払込日までの間、純資産の部の「自己株式申込証拠金」として処理します。払込日が到来すると、自己株式申込証拠金を「自己株式」から控除する形で振り替えます。他の論点は、「新株式申込証拠金」と同じですが、試験では両者を混同しないようにしましょう。
「株主資本」の本試験ポイント
株主資本の各項目
- 権利行使後の資本組入額は「会社法規定による最高限度額とする。」の場合は、全額を資本金にします(最低限度額と勘違いしない)。
- 新株発行または自己株式の処分に係る払込金は、申込日から払込日までの間、純資産の部の「新株式申込証拠金」または「自己株式申込証拠金」として処理します。簿財のテキスト等ではあまり扱われない論点であるため、しっかり押さえておきましょう。
剰余金の配当
- 剰余金の配当をするときは「基準日」時点の発行済株式数(自己株式除いた分)で計算します。基準日は3/31と9/30であることが多いです。
- 剰余金の配当時の準備金の積立額の計算は、「配当日」現在で計算します。上の「基準日」と混同しないようにしましょう。
- 準備金の積立ルールは、配当が2回ある場合、2回目の配当で「資本金×1/4 までの不足額」の方が小さくなることが多いです(1回目で準備金が積み上がっているため)。
- 自己株式の処分では発行済株式数は減少しません。自己株式の消却は発行済み株式数も減少します。
自己株式
- 自己株式の処分と新株の発行が同時の場合、基本的に自己株式の処分差損の取扱いがわかっているかを問いたいので、資本金からマイナスとなるパターンが多いです。
- 自己株式を無償で取得した場合、仕訳自体は不要ですが、自己株式数が変わるため、単価替えの計算が必要です。
株主資本等変動計算書
- 新株予約権付社債の行使による新株発行において、原則、新株の発行の行に「新株予約権」は記載しません。新株予約権の変動額は、下の「株主資本以外の項目の当期変動額(純額)」に記載します。容認の場合は、同じ行です。
- その他有価証券評価差額金の当期首残高は、前期末に実施したその他有価証券の時価評価に伴う洗替仕訳における「その他有価証券評価差額金」の金額が記載されます。この点は見落としやすいため注意が必要です。

